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〈藤京娯楽雑記20 古今東西の美術展、あれこれ〉-by 藤田京子-

2005.05.24

【古今東西の美術展、あれこれ】

この4月から5月にかけては、展覧会がとても充実していてうれしい限り。
アジア現代美術からベルリンにある古代エジプトのお宝まで、
バラエティに富んだ美術作品の数々を鑑賞しに出かけてきました。

まず、『秘すれば華、東アジアの現代美術』(六本木森美術館)

日本をはじめ中国、台湾、韓国のアーティストが参加する中で
一番のお目当ては、スゥ・ドーホーの作品。

銀座メゾン・エルメスでの展示を見てとっても好きになったNY在住の韓国人。
薄い透ける布を縫って門や部屋の内部などを再構成した作品は「ファブリック・アーキテクチャー」
と呼ばれ、それらが本来持つ意味を問い直しています。
なんといっても、ブルーやオレンジのチュールで作られた立体作品はとても美しい!
縫い物を趣味にする藤京にとっては、ミシンで縫われた作品であるということも共感の一因かも。

そのほか、漢字をモチーフにした作品やアニメーション作品など、
「秘する」どころか、とっても能弁な作品群がアジアの今を感じさせてくれます。

お次は『ベルリンの至宝展』(上野東京国立博物館)

どうだ、これでもか!とばかりにドイツ・ベルリンの国立博物館群から大量来日したお宝たち。

かつてのプロイセン王国がいかに世界の美術品を集めることに力を注いでいたのか、
を感じとるための展覧会なのかも・・・。
エジプト、西アジア、ギリシャ・ローマと、古代への情熱をかきたてられたヨーロッパ人。
大きくて重たい石の芸術を運ぶのは、さぞ骨が折れたことでありましょう。
でもやっぱり、スフィンクスやミイラの棺にはエキゾシズムを感じるものね。

ゆえに、地元・ドイツの古いものというのはとても少ないのでお見逃しなく!

藤京は中世の素朴な木彫り像を見て心なごみ、
最も好きな画家ボッティチェリの描いたヴィーナスの美を、改めて胸に刻み込んで参りました。

もひとつ!『アール・デコ展』(上野東京都美術館)

期待以上の構成でうならせてくれたのが、こちら。

絵画や彫刻などの作品だけでなく、洋服やジュエリーデザイン、家具・食器・工業製品まで
生活全般にわたる芸術運動だった1920-30年代のアール・デコ。

いわゆる「断髪のモガがチャールストンを踊る」時代を想像していただければOK。
その全体像を彷彿させる幅広い出品作と、影響源をも含めたまとまりのある展示方法が
とてもわかりやすく、深い理解をあたえてくれます。

カルティエの目も眩むハイジュエリー、デュフィのデザインしたテキスタイルなどのほか、
家具類に心を奪われました。
「修道女」という名のフロア・スタンドは、上部のライトの覆いが
シスターの被る白い頭巾のような三角形でユーモラス。

鮫皮をふんだんに使った整理たんすのクールさには、思わず溜め息が…。

ファッション好きの方はもちろん、インテリアや食器のデザインに興味がある人にも
参考になるものがたくさんあるはずです。

…と、上野では3件の展覧会をハシゴして、
まだまだ、わたしの体力も好奇心も捨てたもんじゃないなーと
妙な自己満足を覚えた藤京でした。

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