〈藤京娯楽雑記16 イ・ビョンホンの繊細さを堪能!〉-by 藤田京子-
- 2005.02.09
【イ・ビョンホンの繊細さを堪能!】
2月になって、ようやく本年3回目のコラム更新。
そこには「自宅のパソコン壊れる!」という情けなーい理由が…。クスン。
しかーし、それにもめげずこの藤京に書く気を起こさせてくれる有り難きもの、
それは、イ・ビョンホンの新作ならぬ日本未公開旧作、
『バンジージャンプする』いよいよ3月に公開だ~!
『JSA』(2000年)の成功で演技派としても認められたビョンホンが、
その次の作品として選んだ、全く毛色の違う作品なのだ。
大学生のインウ(ビョンホン)は、ある日突然自分の傘の中に雨宿りしてきた
女性テヒ(イ・ウンジュ)に運命を感じ、一目惚れ。
二人はお互いをソウルメイトと信じるようになるが、
インウが兵役につく別れの日に、テヒは約束の場所に来なかった…。
17年後、国語の教師になったインウは、妻・娘にも恵まれ幸せに暮らしていた。
そんな彼の前に、テヒの心を持ったとしか思えないひとりの生徒が現れ、
突然終った運命の恋の思い出が、堰を切ったように甦る。
この生徒は果たしてテヒの生まれ変わりなのか…?インウの苦悩が始まる。
まずは、ビョンホンの演技がなんとも繊細で冴えている!!
『JSA』で確かに何かをつかんだことを、2001年のこの『バンジージャンプする』
そしてドラマ『美しき日々』で存分に証明していると思う。
『JSA』前年の『我が心のオルガン』と比べると、明らかに
“大人の男の心を、自在に自然に表現できる俳優”に脱皮していると感じるのだ。
彼の演技力の成長を確認できる作品として、ファンの人には特に観て欲しいっ。
映画の造りとしては、コマコマとした小物(小指の魔法・ライター・ワルツ・
しゃっくりなど)の伏線作りがうまくできていて、
生徒をテヒの生まれ変わりと確信していく過程にも、ふむふむと納得できる。
さらに「輪廻転生」「運命の愛」など韓国の映画にはおなじみの主題ながら、
ラストシーンの持つ意味、すなわちバンジーする二人の今後について
公開当時は、観客達の論争を巻き起こしたんだとか。
藤京は「また新たな人生でめぐり会うための始まり」と解釈しましたが
人によって受け取り方が違うこういう作品というのは、好きですねー。
単なるハッピーエンドでは終らない恋愛映画、かなり宗教的なテーマを
提起していて、新鮮です。
一目惚れは、初めて見た相手に恋するんじゃなくて、
それが自分の待っていた人だとその瞬間知ることだ、と映画は言う。
ビョンホン様と目が合っていたら、絶対気付いてたはずなんだけどね、運命の相手だと…。
えっ、それは一方通行というんだって?