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〈藤京娯楽雑記・9〉-by 藤田京子-

2004.11.09

ありがとう!FC東京。
これまでに、スポーツを見て覚えたことのある感動と、今回のナビスコ優勝でこみ上げてきた感情とは、全く違うものでした。
新たな複雑な喜び、とでもいうんでしょうか…。

国立で泣き、うちに帰ってPK戦をビデオでリプレイして泣き、さらにテレビ東京の特番を見て泣き…。たくさんの涙を搾り取られました。
でも、気持ちのいい涙ですね!うれし泣きっていいもんだ!!

そして今回のエンタメは、去りゆく者への哀惜を込めた静かな涙を誘う映画、『山猫』。

これまで、カットありの英語吹き替え国際版、オリジナル完全版(ただし発色悪し)と、なかなか完璧に近いものが公開されてこなかったヴィスコンティの名作が、とうとう、イタリア語・完全復元版としてロード・ショーとなりました。

ハリウッドのどちらかというとマッチョ・タイプとされていたバート・ランカスターを主人公のシチリアの公爵に据え、新しい時代を切り開く甥に、出世を狙う目付きをさせたら天下一品のアラン・ドロンをフランスから、新興資産家(つまり成金)の娘に黒髪黒眼・野性的なクラウディア・カルディナーレを地元イタリアから。

と、各国のスターを取り揃えながら、断じて顔見世映画ではなく、しっかりと演技を絡ませそれぞれの力を出し切っているところがすごい。

ヴィスコンティ自身がミラノの由緒正しき貴族の家柄の出であることからその美意識は徹底していて、この映画の見どころはあらゆる「美しさ」。
主役たちも衣装も風景も音楽も、なにしろ美しいものが描かれます。
伝統を打ち破るものの美しさ、そして滅び行くものの哀しい美しさ…。

映画のラスト約30分を費やすこの作品の象徴ともされる大舞踏会の場面で、公爵は自らの属した貴族社会の不条理をその目で確かめ、終焉を確信し、最後の仕事として新しい時代の象徴であるカルディナーレとワルツを踊るんですね。
そして明け方、疲れきって歩み去る後ろ姿。

この映画は藤京にとってのいわばバイブル。
かつて岩波ホールでオリジナル完全版を観て大いにショックを受け、これぞ映画なんだ…と思い知らされたんですねー。

映画開眼となった一作のリニューアルお披露目ですからね、もうホントに喜!

マカロニ・ウエスタンの大スター、ジュリアーノ・ジェンマの姿(彼だけは特出扱い?)を探すというお楽しみも含めて、イタリア映画の奥深さに改めて脱帽なのであります。

と、なんだか渾身の真面目チック映画紹介となっちゃいましたか…?

ではおしまいに、今週の韓流トピックス。
ビョンホン主演未だDVD化されずの『バンジージャンプする』が来春公開決定~!
友人がくれた「字幕も吹き替えもなしビデオ」だけ見て想像を膨らませていただけに、字幕付きが待ち遠しいっ。
そして、2005年ビョンホンカレンダー購入を迷う藤京であった…。

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