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〈藤京娯楽雑記21 話題作続々公開されてます!韓国映画〉-by 藤田京子-

2005.05.24

【話題作続々公開されてます!韓国映画】

キム・ジウン監督作2本をおさらいして万全の態勢で臨んだ、
イ・ビョンホン主演『甘い人生』。

確かにビョンホンに暗黒街のムードは似合っていたし、
切れのある回し蹴りを披露して、アクションスターとしての可能性を充分感じさせた。
ただし期待が大きかっただけに、コリアン・ノワールの新たな一ページを開いた!
というには、作品の完成度がいまひとつだったかな~?

長年、絶対の忠誠を誓ってきたボスの命令に背いたために、
組織の反逆者として痛めつけられるソヌ(ビョンホン)。
なぜ自分がそんな目にあうのか、これまでの経験で彼自身が一番わかっていたはずなのに
その理由をボスに求めることには、矛盾があるような…。

また、ヒスという女性のファム・ファタルとしての存在感が弱いだけに、
その彼女に惹かれたソヌの転機となるシーン(最後に明かされる)も
ちょっと納得度が低くなってしまった。

ただしアクションシーンは壮絶で、見応えあり過ぎるほど。
また、ジウン監督お得意のブラック・ユーモアがそこここに散りばめられているので
くすっと笑える登場人物を見逃さないように!

さて、続いてイ・ウンジュの遺作となってしまった『スカーレットレター』

ハン・ソッキュ演じるエリート刑事と彼を巡る3人の女性。
妻・愛人・そして事件の被害者の妻(であり容疑者)。

自らの愛情問題を持て余し、尚且つ殺人事件の容疑者の女性の動機を探るうちに
その女性が発する魅力にも取りつかれ…。

一方、妻と愛人の間には秘密の過去があって、単なる三角関係ではない複雑な感情が
絡み合っていたことがわかった瞬間、
彼の人生は破滅へ向かい、愛する人を失うことになる。

ラストの30分近くを占める、刑事ギフンと愛人カヒの二人だけのシーンは
観る側に、ものすごい忍耐を強いる。
精神的にも肉体的にもすこぶる健康な人間が観ていて辛いのだから、
演じる側には、どれだけの消耗があっただろう…。

ここに全精力を注ぎ込むことを使命としたイ・ウンジュが、
空っぽになってしまったとしても不思議はないと感じた。

映画が彼女を殺したとは考えたくない。
でも確かに彼女は、映画に命を捧げてしまったのだと思う。
これは彼女の映画です。

最後におまけ、韓流シネマ・フェスティバルでの『誰が俺を狂わせるか』

ビョンホンの映画デビュー作、といわれればファンとしては見たくなります。
しかーし、彼はどうしてこれを選んでしまったの…という映画。

『甘い人生』を公開している同時期に、フェスティバルとはいえこれを上映されるのは、
ご本人もさぞ辛かろう…苦笑いかな?という、
まぁアメリカのハイスクール何とか白書系に近いですね。

ほかは2002~04年製作の映画がほとんどなのに、1995年作品。
10年前。
現在の隆盛を誇る韓国映画の、来し方を知る上で、勉強にはなりましたが。

人間30年以上も生きていれば、隠しておきたい過去もあって当然ってことでしょうか。

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