馬の耳新聞 ~05年2月27日号~ それでも馬耳東風 袴田荘之介
- 2005.02.27
こんにちは。ハカマダです。
図書館の本というのは、大勢の人間に読まれているわけです。
まぁ大体の人はフツーに読んでフツーに返却しておりますが、中には書き込みをしている不埒なヤツもいたりするのでムッとすることがあります。
その他も一度濡れたのを乾かしたページであるとか、落書きがあったりとかして、相当トホホな状態になっている本もあったりしますね。
図書館員のみなさんには頭の痛い問題だろうけど、実は図書館の本には結構面白い他人の痕跡も多くて、非常に想像力を掻き立てられることがあります。
1回あったのが、ページの下に口紅らしい跡が着いていたこと。
なんつうか、エロティシズムです。どんなシチュエーションで着いたのか、考えるだけで結構グッときますよ。
まぁ、もちろん「汚れ」には変わりありませんので「うわーい、エローい」なんて喜んでいる場合じゃないかもしれませんが、なんだか結構欲情したのを覚えています。変態だろうか。
そしてさらに面白いのが「しおり」です。
あ、その前に豆知識。
国内で「紐のしおり」がついている文庫本は、実は1社だけが出しております。
それは何文庫でしょう?(答えはページ下部)
で、そのしおりなんですが、図書館の本の場合結構みんな適当なものをしおり代わりに使っていて、それがそのままはさまっていることが多いのですよ。
よくあるのが「切符」です。
突然ページをめくったら「西葛西」の切符なんかが出てくると「おおっ」と思いますよ。
きっと前に借りた人は東西線にゆられながら読んでいたのだろうなぁと推察できるわけです。
そしてその本もおそらく「西葛西」の改札口を通っただろうし、東西線にも揺られたんだろうなぁと思うわけですな。
何と言うか、図書館の本って以前に借りた人のことはほとんど意識しませんが、こういった「以前の借主の証拠」が出てくると妙にワクワクします。どんな人間だったんだろうなあと思うだけで楽しいのですよ。
実は昨日読了した「暗い宿/有栖川有栖」(角川文庫)にはレシートが一枚はさまっていました。
マクドナルド カワゴエキノメテン
テリヤキマックバーガートリオ ¥367
とあります。さらに2月5日(土)の日付も。
「ああ、この本の前の借主は川越でテリヤキマックバーガーを頬張ったのだな」
と思った瞬間に私の心は一気に川越へ。そして一気にテリヤキマックバーガーへ。
ああ、マヨネーズ。思わずため息が漏れましたよ。
お腹空いていたので余計な単語もつぶやいておりますが、同じ本を読んだ人間の行動がレシート一枚で私に伝わってしまう不思議さ。本も面白かったですけど、レシートも十分楽しませてもらいました。
多分本人は要らないレシートを何の気なしに挟んだんでしょうけど、あいにく私は見逃さないですよ。もう好き勝手に性別や風貌、生活習慣まで想像をさせていただきましたよ。
とりあえず、お預りが「¥1007」で細かいお金を出しているあたり、几帳面な性格と見ました。
他の想像は内緒です。
みなさんもバンバン図書館で本を借りて、自分だけのレシートを発見してください。
ま、今度は私も何か挟んでおこうと企んでおりますけどね。
~3月6日の「それでも馬耳東風」は…~
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~完全内輪ネタ! 愛なき「調布FM劇場」~
【お答え】
新潮社文庫。
「紐のしおり」にこだわりを感じるので結構好感を持ってます。