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〈藤京娯楽雑記15 こちとら『パッチギ!』じゃ。〉 -by 藤田京子-

2005.01.19

【こちとら『パッチギ!』じゃ。】

今年は昨年にも増して、韓国映画にまい進しよう!と決めている藤京。
幸先よく、話題作の試写を観ることができました。

こちとら自腹じゃ!の井筒和幸監督『パッチギ!』
もちろんこれは日本映画ですが、韓流ファンなら必見です。

‘60年代後半の京都。
そこで繰り広げられる「ふつう」の日本の高校生と、在日朝鮮の高校生たちの
対立と恋愛を描いています。
そこには若者たちの思惑とは別に、どうしても親・祖父母たちの世代の思いが
介入せざるを得ないのです。
本人がよければそれでいいじゃないか、というひとりよがりの感情が
否が応でも他の人の気持ちを傷つけざるを得ない、
このことに主人公が気づいた瞬間、
彼の目で見える世界が、ほんの身の回りの狭い範囲、せいぜい120度くらいから、
初めて、360度の視野へと広がったのではないでしょうか。

高校生の若者が共通して持つ感情、そして同時にどうしても共有し得ない感情。
井筒監督はその両方を上手く描き出して、切なさに心が揺さぶられました。
どうすることもできないなら、せめて、知っていなくてはならない、
そう思います。

青春群像劇としても、主なメンバーたちの個性がみごとに際立っています。
実は、上映前に監督と出演者6名の舞台挨拶がありました。
正直、彼らが素でしゃべるのを聞いて、かすかな不安を憶えないでもなかったのです。
しかし、スクリーンで躍動する演技を見て、
「やはり、役者じゃのう…!」と感心しました。
ほとんど無名の若手ばかりでしたが、これからの活躍に期待です。

そうそう、すっかり貫禄のオダギリジョーが、主人公の兄貴的存在として登場、
道先案内人として音楽の世界へと誘います。
アルフィーの坂崎さんがモデルらしいのですが、おもろいです。
自分の名前の由来になった街だから、贔屓目かもしれないけれど
京都ってユニークな才能の宝庫なのねと、改めて感じました。

若者が熱く燃えていた時代の映画を見て、
藤京も今の自分の殻を破る自分なりのパッチギをしてみたい!
カラダ、壊さない程度で…。

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