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『食欲の秋だけに…スローフード@Bra』★parL*C北山裕子

2004.11.22

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第35回『ブラの街/イタリア』(10/26/2004放送分)

10月から月末「火曜日」17:35過ぎ~にお引越しした、この旅のコーナー。
火曜日の17時代後半=(通常)古き良き映画&ミニ裏話?でお送りする『シネマの細道』&(最終週)『旅(俗称…果たして正式名称は?)』、
水曜日の17時代後半=(通常)古今東西の小説を問答無用の恋愛視線切り!?『男と女の物語』&(最終週)Deepな音楽談義『タイム・マシーン・リコメンド』、
以上のLine-Upで、今後とも末永~く、どうぞ宜しくお見知りおきを♪♪♪

新装開店1回目の今回は、食欲の秋に因み最近日本でも大注目の「スローフード」運動の本丸を訪れました。世界初の「美食大学」(史跡級の城館を校舎に、料理&食材の知識+食文化&歴史をカバーする、食の研究家&ジャーナリスト養成校らしい)も今月、2校を同時に開校…と世界的に高まるこのムーブメント。
今更ながら探ってみれば、つい数年(数十年?)前まで季節感&郷土色&「お袋の味」を大切にしてきた私たち日本人にとって、これがまた実に親しみのもてる(海原雄山ほど厳格ではないのじゃ!/笑)ライフスタイルなんですなぁ。。。

1)
毎月最終「火曜日」この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。

家族や食文化を見直そうという近年、耳にすることが多くなった言葉「スローフード」。
早い・安い=「ファーストフード」の不買運動か反対語?と思われがちですがその意味は実に広く、効率化第一の私達のライフスタイルにまで及ぶもの。
そもそもの始まりは、北イタリアの小さな田舎町で作られた、とある美食クラブでした。

本日の目的地は今から18年前、スローフード運動が生まれた町=Braです。

イタリア・ミラノからトリノまで特急列車で1時間少々。接続の悪い在来線に乗換えてBraまで更に1時間半です。

Le destination d’aujourd hui est Bra(ブラ)…………。

2)
長靴型をしたイタリアの膝小僧部分に当たる、北イタリア・ピエモンテ州。
ローカル列車の車窓を流れる長閑で平凡な田園風景。何の変哲もない、ややうらぶれたBraの駅に降り立ち、人通りの少ない目抜き通りを抜け、ひっそりとした路地を進むと見えてくるのが、蔦の絡まる門柱に掲げられたシンボル・マーク「かたつむり」の看板…全世界に8万人以上の会員を抱えるスローフード協会の本部です。

チーズ・ワイン・トリュフetcグルメに欠かせない食材の産地が近い…そんな理由から1986年、食文化雑誌『GORA(ゴーラ)』の編集長カルロ・ペトリーニがブラに設立した美食クラブ「アルチ・ゴーラ」。
同じ頃、マクドナルド1号店が首都ローマに開店し、「マンジャーレ・カンターレ・アモーレ」=「食べて唄って、愛を語って」…独自の食習慣に誇りを持つイタリアっ子の間で大論争が巻き起り、その波は美食クラブにも及びます。

このまま効率的な食品の大量生産が進めば、質の高い商品を扱う小規模生産者は淘汰され、やがて食事の持つ季節感、郷土色、温かい人と人との交流も失われてしまう…そんな危惧を抱いたメンバーが、ファーストフードから連想してつぶやいた一言=「スローフード」。
この考えの賛同者はみるみる増え続け1989年、パリで開かれた最初の総会で『スローフード宣言』が採択されます。

3)
スローフードが掲げる3つのスローガン
・消えつつある郷土料理や質の良い少生産の食品を守ろう、
・質の良い食品を提供してくれる、顔の見える小規模生産者を守ろう、
・子供たちを含めた消費者に、失われつつある敏感な味の教育を進めよう

食事が本来もっていた新たなおいしさの発見と喜び、自然や生産者への感謝、同じテーブルを仲間と囲む悦び、そして子供にとって社会に入る糸口となる食卓。
駆け足で通り過ぎる毎日&世界中で「味の画一化」が進む今、ここで一歩立ち止まり、先ずは食事から。
「共に食べ、共に生きていこう」…じっくりとプロセスを楽しむ人生は、如何でしょうか?

4)
今回ご一緒した、スローフード運動・発祥の地=ブラ、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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