馬の耳新聞2003年8月10日号~それでも馬耳東風 袴田【原稿さぼり】荘之介~
- 2003.08.10
残業中なんである。
調布FMは世界にはばたく大企業を目指しているが、今のところあいにく超零細企業なので、ちょっと仕事が立て込むと誰かのところにしわ寄せが来るのである。
今月はそのシワが僕のところに来た。
先月のシワは別の人間に来てたんで「やっほー」なんて言いながら馬鹿ばっかやってたから、その報いとも言える。今にして思うとやっほー言ってる場合じゃなかった。夏休みの宿題と一緒だ。さっさとやっちゃった者が最後は笑うんである。
小学校時代からまったく成長していない自分に本当に呆れる8月。みなさんはいかがお過ごしか。
まぁ残業中の男が「お過ごしか」などと新聞の社説みたいな語調でみんなに問い掛けたところで、現状変わらず調布FMは大忙しだ。俗に2月と8月は閑散期と言われているがあんなん嘘である。現に、文化会館たづくりは電気も全部消えてしまって、もう真っ暗だ。一人ポツンと事務所で仕事である。警備員さんも困ってるだろう。いつまでも在館されると、仕事が終わんなくて大変らしい。
警備の人のためにも、何とか仕事を片付けてしまわなければいけないが、今回の仕事のシワは並大抵ではない。超ド級のシワである。どうしたものか。
ピンと来た。こういうときこそ、やはり「助っ人」の出番である。
ピンチの時にこそ、助っ人が欲しい。
助っ人登場 → 残業も即終了 → 袴田意気揚々と帰宅 → 警備員さんもほっと一息
という美しい流れを期待したい。
昔から助っ人には憧れを抱いていた。野球の世界でも外国人選手は「助っ人」などと呼ばれていて、大変格好がいいのである。「クロマティ」しかり「サンチェ」しかり「ブーマー」しかり。
と、ここまで考えて、腑に落ちない点が出てきた。
助っ人は誰に依頼すればいいのか、という問題だ。
やはり外国人か?
違うんである。外国人は野球の話で、急に今外国の方に来られても困るような気がする。困るといえば、警備員さんもだろう。ただでさえ調布FMの残業が終わらないかと待っているところに、急に外国人のたづくり入館である。
「スケットニキマシター! ハカマダサンイマスカ?」
これは面食らうだろう。外国人はまずい。
そうだ。こういう時は、電話帳が便利である。電話帳で「助っ人」を検索だ。
むう。
スキューバはある。すし店もある。
しかし「助っ人」の項目は・・・ないんである。
助っ人派遣業とかであるかと思ったが、期待はずれもはなはだしい。助っ人のニーズは世間にないのか。大変な憤りを感じる。
まぁ、折角電話帳を手にとったのでついでに「外国人」も調べてみたが、こっちもダメである。
ちなみに近くに書いてある「外国語専修学校」は、529ページの専修学校(文化・教養)をご覧下さい、とある。
そんなこと言われても529ページに用はないのでご覧にならずに、調子に乗った袴田は「警備員」も調べてみる。こっちは「警備」の項目に一杯載っているんである。またバラエティにも富んでいる。中には「☆ボディガード☆」なんて書いてあって「おぉ」と感心した。今、助っ人は無理でも「ボディガード」は呼べるんである。かっこいいな、ボディガード。ハリウッド映画みたいである。やっぱり屈強の男たちをリストから選べたりするんだろうか。「特技:マーシャルアーツ・射撃」みたいな項目もポイントだろう。しかし、俺も早くボディガードが必要なくらい偉くなりたいもんだな、うん。
なんだかしんみりしてしまった。
そして気付くとこの原稿はここまで進んだが、残業は一向に進んでいないのである。ボディガードの当ては出来たが、肝心の助っ人の当てはなく途方に暮れている。先ほどまで軽快にめくっていた電話帳も急に重たく感じられる。あぁ、電話帳よ。なぜお前はそんなに重いのか。
そして、なんと言っても警備員さんである。もうさすがに我慢の限界だろう。「いつまでも仕事の終わんない調布FM」というレッテルを貼られてもたまらない。明日の朝の番組スタッフが文句言われるかもしれない。
仕方あるまい。今日は、電話帳しまって帰ろうと思う。
わーいわーい。残業終了。明日明日~。お疲れさん。
助っ人にはまた今度来てもらおう。
それでも馬耳東風 8月10日(日)は
メッセージTM「夏のちょっとした幸せ」 リクエストTM「納涼バラード特集」
でみなさんからのメッセージ・リクエストを募集します。
メールは、調布FMホームページの送信フォームからどうぞ。