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水曜ラベクル★『ニュートンと林檎の木/ウールスソープ村』+映画三昧par北山裕子

2003.04.19

Visitons au coin de la rue, pour trouver notre specialite !
第16回『ウールスソープ村/イギリス』(04/02/‘03放送分)

最近すっかり「初夏の陽気です」といったお天気コメントにも驚かなくなってきました。年々「春&秋」が短くなり「夏&冬」が長くなっているようで、過ごしにくいの何のって。
≠メゲずに?今月もGoGo試写会~気になった辺りをPick-up♪

→4/19(今日か)公開①『シカゴ』はこの半年で最高の豪華エンターティメント・ムービー!前評判通り=アカデミー助演女優賞のキャサリン・ゼタ・ジョーンズの歌&ダンスにも圧倒されますが、クィーン・ラティファの味のある存在感、そして何より『ブリジット・ジョーンズ~』とはまた何味も違うレニー・ゼルウィガーのキュート&セクシーはモンローの再来☆=自信を持ってお薦め◎

→②『きれいな涙*スピリット』=「アメリカ人的には『千と千尋~』よりコッチだったんだろうな~、オスカー(長編アニメーション部門)」…なんて苦笑してしまいましたが、アメリカ開拓時代を美しい音楽&馬(主人公)の(台詞ではなく)心情のナレーションで綴る手法は画期的&癒される?

→5/24(これまた先ですな★)公開③『めぐりあう時間たち』は主演女優賞Get=顔も変え私生活の一番厳しい時期に心身ともに厳しい難役を大熱演のニコール・キッドマン&もはや職人(女デニーロ?)メリル・ストリープもさることながら、台詞少なに普通の主婦に潜む狂気&ある種の残酷性を静謐に演じたジュリアン・ムーアに鳥肌∞!ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ婦人』or原作を読んで出掛けると理解度Up(要はやや難解)。

→④『トゥー・ウィークス・ノーテゥス』=ヒュー・グラントVS有名女優のラブ・コメには見飽きた感があり(失礼にも)期待度低かったんですが、これがもう抱腹絶倒!サンドラ・ブロックの(上述とは違った意味で)女優生命を掛けたダサ演技VS面白くってセクシー=マシンガン・ギャグのヒューを際立たせて大吉。NYの最新デートスポット目白押し+カメオ出演の新庄(オイオイ)&ノラ・ジョーンズの弾き語りもオトク感◎

~~~以上、今月は「実り多き(期待以上の)」映画ライフでした♪…じゃ今まではどうだったんじゃ!?という野暮は無しで(苦笑)

さて4月は新入学生にズームを合わせ、「目指せ未来の天才!」⇒生前から高く評価された三大天才科学者=アリストテレス、ニュートン、アインシュタイン、の中から「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?」改め(トホホ)「万有引力のパパ」ニュートンをピックアップ。
子供偉人伝的には、孟子同様、賢母が見守り育て上げた天才☆の印象が強かったニュートンでしたが、今回調べ直してみると意外や意外XXX

1)
月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』、本日もご一緒しましょう。。。

今回訪れるのは17世紀、庭のリンゴの木の下に寝そべり思索に耽っていた一人の青年が、頭上に落ちてきた1つのリンゴから万有引力の法則を閃いた…子供の頃に読んだ偉人伝のエピソードが余りに印象的な、偉大なる科学者の故郷。
不遇な家庭環境に育ち、幼い頃からいつも一人ぼっちだった彼。好奇心と探究心だけは人一倍強かった少年の唯一の友達&相談相手は、家の前にある一本の大きなリンゴの木でした。

本日の行き先は、アイザック・ニュートンの生家&万有引力発見の「かの」リンゴの木の末裔が今も現存するイギリス中東部の小さな村=Woolsthorpe(ウールスソープ)です。

イギリス・ロンドンからヨーク方面行きの列車に乗り1時間少々でグランサムに到着。そこからバスかタクシーで南に戻る事、約11キロ。電車と車を乗り継いで、ウールスソープへは約1時間半です。

Le destination d’aujourd hui est Woolsthorpe…………。

2)
ロンドンから北へ200Km、明るく澄んだ風に一面の美しい野の草花がそよぎ、放牧された牛達が豊かな芝を食む…このどこまでも長閑で小さな村が、今回の目的地ウールスソープです。
ニュートン生誕300年を記念して1942年、ナショナル・トラストに寄贈され一般公開されている彼の生家は、なだらかな丘の中腹、リンゴ畑を抜けたすぐ先。
ベージュ系の質素な土レンガで造られた、L字型・とんがり屋根の2階建て。各階がそれぞれ2つに仕切られただけの簡素な建物ながら、壁のあちこちにあるメモ代わりの落書きや、子供部屋に並んだ地球儀・望遠鏡・顕微鏡に、偉大な科学者の住まいの実感が沸いてきます。

1672年、誕生の前には父を亡くしていたアイザック・ニュートンは、3歳の時に母が再婚すると祖母に預けられ、人見知りから学校を嫌がると「農場を継ぐのだから学校は必要ない」と考える母親の方針で、そのまま友人も居ない孤独な幼少期を過ごす事になりました。
「太陽はどうして眩しいんだろう」「風はどこから吹いてくるんだろう」「月は落ちてこないのに、どうしてリンゴは落ちるんだろう」…大好きな、庭のリンゴの木にもたれていると次から次へと新たな疑問が生まれてきます。
その謎を解くべく独学で科学の勉強に打ち込んだニュートン少年は、やがて念願のケンブリッジ大学に進学しますが、卒業を目前にした年にペストが大流行。大学は1年半もの間休校になってしまいます。

心ならずも久し振りにウールスソープへの帰郷を果たしたニュートン。部屋に籠って微分法や惑星の運動に関する研究、プリズムを用いた光の屈折実験等に取り組みます。ある日、再会した親友=リンゴの木の下に寝そべりながら、未だ解けない「慣性の法則に従えば、地球の自転と逆方向に飛ばされる筈のリンゴが、どうして下に落ちるのか」という疑問を思い返していた丁度その時、頭上に落ちてくる1つのリンゴ。その映像をストップモーションのように見つめていた彼の脳裏に、ある閃きが走ります。
「そうだったのか!」…ひとつの答えを導いた彼は、それをきっかけに次々に仮説を検証し、遂に「万有引力の法則」を打ち立てます。すると頓挫していた他の研究も、堰を切ったように結果を出し始め、その優れた業績から僅か27歳の若さで母校・ケンブリッジ大学の教授に、30歳で学会の頂点=ロイヤル・ソサエティの会長にも就任しました。

残念ながら初代のリンゴの木は1814年に枯れてしまい、現在は椅子になって英国王立協会と天文台に保管されていますが、接木で残されたその分身=2代目が、しっかりと同じ場所で往時を偲ばせています。
この2代目リンゴの木は、接木となって化学の発展&友好の象徴として世界各地に…勿論、日本にも贈呈されましたが、何と当時治療が不可能だったウィルスに感染している事が判明します。通常ならば即焼却処分となるところを、文化遺産として、特例で小石川植物園に隔離されたリンゴの木…ようやく治療法が開発され自由の身になったのは、それから16年後の事でした。
その後各地の農業試験場で増やされた分身達は、多くの科学館や小学校に植樹されていきました。案外身近な所で、ニュートンのリンゴの木は今も育てられているのです。。。

3)
今回ご一緒した、個性や自由な発想&思い付いた疑問を諦めずに追求し抜く強い心について、改めて大切に考えたくなる村=ウールスソープ…如何だったでしょうか。

それではまた、次回の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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