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水曜ラベクル★『姉妹が守る伝統のワイン/トルジャーノ村』par北山裕子

2002.06.04

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !

第8回『トルジャーノ村/イタリア』(02/06放送分)

今回は月曜の石田美由紀さんと「チェンジ!ナックルボンバー!!(古い…)」で、お初☆水曜を離れてお送りしたこのコーナー。。。

興奮しすぎて資料が手につかず、結局寝たのが朝7時=果たして結果は、案の定???

ワールドカップ真っ最中→サッカー絡み?でペルージアの郊外…という側面もありますが、実は本文中に出てくる働く富豪令嬢=テレサ&キャラ・ルンガロッティ、個人的にも多少の袖振る縁が有るのですが、過酷な運命に翻弄されるのではなく、むしろそれを愉しむ強さに心から感服して、今回取り上げさせて頂きました。

しかし!開局4周年のプチ企画でお世話になった、土屋酒造当主=桜子さん&ホッピー・ビバレッジ広報の美奈さんも含め、どうして酒造メーカーの若き2代目女性は、揃いも揃って、こうもパワフルなんでしょうかねぇ???

1)

月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』。。。

素敵な音楽と共に、本日もご一緒しましょう。

今回訪れるのは、サッカー日本代表・中田英寿の移籍で俄かに脚光を浴びた、イタリア中西部・ウンブリア州の州都ペルージアの郊外です。

エトルリア時代からの古き良き歴史の香りを残す石造りの町のほど近く、見渡す限りのブドウ畑が広がる美しい高原にあるのが、知る人ぞ知るイタリア屈指のワインメーカーが所有する、「ワイン博物館」を併設した最高級の五つ星ホテル=「レ・トレ・ヴァゼッレ」。

本日の行き先は、イタリアの隠れた高級リゾートホテルの村トルジャーノです。

イタリア、ローマから数少ない直行列車又はフィレンツェの行きの急行でフォリーニョで乗換え、ペルージアまでは乗継ぎ時間により2時間~3時間弱。そこからデルータ行きの郊外バスに乗れば、30分弱でトルジャーノに到着です。

Le destination d’aujourd hui est Toregiano…………。

2)

丘の頂上に歴史的な石造りの旧市街、裾野に行くほど新市街が広がるペルージアから郊外行きバスに乗り、岩だらけの丘陵を抜けると間もなく、辺りはまばゆい陽光きらめく、一面の葡萄畑の高原に変わります。

標高600m。トルジャーノの入口を示す古い石の塔を過ぎると道は緩やかに下り始め、やがて緑の谷の中腹に見えてくるのが、ワインメーカー「ルンガロッティ」社の経営する五つ星ホテル「レ・トレ・ヴァゼッレ」です。

地質や環境も異なるトルジャーノ周辺の幾つもの村に跨る広大な葡萄畑の恩恵で、イタリアで唯一、他の生産者の葡萄を一切使わずに造られる世界的に有名なルンガロッティ社のワイン「ルヴェスコ・リゼルヴァ」。

99年に他界した創業者ジョルジョ・ルンガロッティは、僅か一代でこのイタリアを代表するワインを造り上げ、その後、オリーブオイルの生産に、ワイン博物館やホテルの経営と手を伸ばし、且つての隆盛を失ったウンブリア州に一大産業を興しました。

ルンガロッティの夢の城=ホテル「レ・トレ・ヴァゼッレ」は、17世紀に傾斜地に建てられた中世の屋敷を改装したもので、山側から見るとロビーが最上階で、各部屋はワインセラーさながら全て地下。ところが谷側から見ると、どの部屋も太陽の光を燦燦と受ける明るいテラスから葡萄の丘やワイン工場を見下ろせる構造で、内装には上質のリネンとアンティーク家具が使われ、そのインテリアのモチーフも古い樽を使ったボードやワイン小物をかたどったドアノブ等、全てがワインにまつわる物ばかり…そんな宝捜しもお楽しみの1つです。

勿論、ホテル併設の、古代・中世・近世と、時代ごとのワイン造りの貴重な資料が集められた「ルンガロッティ・ワイン博物館」も見逃せません。

現在この事業を継いでいるのは若き跡取り娘=次女のキャラです。92年に大学の農学部を卒業して以来、葡萄栽培の責任者をしてきた彼女はその僅か7年後、偉大な父の突然の死を受け最高責任者に就任。ワインの醸造責任者を務める姉のテレサと二人三脚で、急遽この大企業を担う事になりました。

重責に負けず、父から受け継いだ「持続と発展」…伝統を守りつつ新しい事にチャレンジする精神で、大胆な葡萄苗の植え替えやワイン醸造の新技術導入、和食等異なる食文化にマッチしたワインの愉しみ方の提案や、若い女性が気軽に滞在できる小さな館のメゾネット貸しと留まる事を知りません。

「父の死後、まとまった休みは一度も取っていません。経営者になっても毎朝欠かさず葡萄畑を見回り、冬の間はプロモーションで世界中を飛び回ります。それでも空気が変わると気分も変わり、旅先で違う空気を吸うことがリフレッシュになります。仕事上の問題にぶつかっても、ハードルが高い程、不思議とやる気が沸いてくるんです。」

…苦労も楽しみに変える、そんな彼女のワインを一口飲めば、些細な事で憂鬱になったり逃げ出したくなる弱い気持ちも、何だか大いに奮い立ちそうです。。。

3)

今回ご一緒した、急逝した父の遺志を継ぐ若き姉妹の「伝統とチャレンジ」の結晶=発展するワイン王国・ルンガロッティ社のホーム=トルジャーノ…如何だったでしょうか。

それではまた、来月の旅をお楽しみに。

A la prochain fois !

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