過去記事アーカイブ

水曜ラベクル★『プロヴァンスの布・ソレイヤードの町タラスコン』par北山裕子

2002.05.24

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !

第7回『タラスコンの町/フランス』(02/05放送分)

書き溜めしていた原稿も、これで終り。来月からはTimeMachineのCDプレゼント同様、月1回ペースになるので、「コラム、北山だらけかよ(さまーず?)」状態は、これで無事に解消です(笑)

南フランスやスペイン、イタリアに行かれた方の「地中海旅行土産」に、「派手なのか地味なのか、微妙~!?」な青X白X黄色等の小花やペイズリープリントの、ランチョンマットや鍋掴み(豪勢だとエプロン?)頂いた事、有りませんか?

今回はゴールデンウィーク真っ只中!という事で、長閑で陽気、気分はもう『南フランス/プロヴァンスの12ケ月』(ピーター・メイルVSマーサ・スチュワート…自然に囲まれ優雅&憧れのライフスタイル。その上、収入+知名度も◎とは、お見逸れ入りました!)な町を☆

(&ここに書くのも何ですが)来月=6月最初の週は月曜と水曜、訳有って?パーソナリティ入替り→次回の【小さな旅】は、6月3日「月曜日」です★

石田ファンの皆様に、ちゃ~んとお楽しみ頂けるでしょうか???うわッ、久々にドキドキ…でも、これはトキメキではないわ~。。。

1)

月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』。。。

素敵な音楽と共に、本日もご一緒しましょう。

光と風をふんだんに取り込み、手作りをこよなく愛し、古いものを尊ぶ南フランス・プロヴァンスの暮らしは、慌しい現代人憧れのライフスタイル。そんな生活のエッセンスに欠かせないのが、この地方独特の色鮮やかなコットン・ファブリック。

オリーブ・草花・鳥・果物など身の回りの自然をモチーフにした、マチスの絵を思わせる大らかな構図やペイズリー。赤X緑・黄色Xライトブルーといった意表を突く大胆な色合せ。。。

今回訪れるのは、一時は人々に忘れ去られていたこのプロヴァンス・プリントを、現代に蘇らせた高級木綿生地ブランド「ソレイヤード」の本社工場と美術館がある町=タラスコンです。

フランス、パリ・リヨン駅からアヴィニヨン迄、超高速鉄道TGVで約3時間半。そこからマルセイユ往きの在来線に乗り換えて、タラスコンへは更に20分です。

Le destination d’aujourd hui est Tarascon…………。

2)

明るい田園風景とはおよそ不釣合いに、豊かなローヌ川の岸辺に突如現れる威圧的に聳え立つ白亜の城砦…そこが今回の目的地=タラスコンです。

15世紀末、当時ローマ帝国の領地だったこの町に、対岸のフランス領を監視する為建てられたタラスコン城は、その後1926年迄400年以上も監獄として使われていましたが、その白く輝く城壁の美しさは、ローヌ川・随一のものです。

城下町に入ると、小型乗用車がやっと通れる狭い通りの至る所で遭遇するのが、頭はライオン・胴体がアルマジロの人食い怪獣タラスクと、それを退治した聖女マルトの像。毎年恒例のこの伝説を再現したパレードの衣装にも使われる、歴史から消えかけたプロヴァンス・プリントを再生したのが、今や南フランスを代表するブランド「ソレイヤード」です。

プロヴァンス・スタイルに欠かせないこのプリントのルーツは、何とインド更紗。17世紀半ば、東インド会社によってマルセイユに伝わったシンプルで斬新なプリントは、瞬く間にフランス人の心を掴み、周辺に次々に出来た手染め工場で「プロヴァンス文様」と呼ばれる独特のスタイルを確立していきました。

18世紀に入ると貴族やブルジョア達が、新柄が出るたび競ってこのファブリックを壁紙や家具、衣服に利用し、国から「プリント禁止令」が出てもその勢いは一向に衰えませんでした。

ところが産業革命後、伝統的な手染め工場は経営難から悉く廃業し、プリント自体もやがては人々に忘れ去られていきました。

「ソレイヤード」の創始者シャルル・ドメリーは1938年、潰れた古い工房を版木ごと購入し、更に骨董市で買い集めたものを加えた4万個の版木を使い、昔ながらの手法にモダンなセンスを取り入れた、現代人の生活にマッチした「新しいプロヴァンス文様」を次々と産み出し、この地域の一大産業へと見事復活させました。

タラスコン城から徒歩10分の「ソレイヤード美術館」には、100年以上前に使われた染色用の貴重な版木や古い民族衣装、パッチワークのベッドカバーや壁掛けに加え、民家の寝室や台所の様子も忠実に再現され、嘗てのプロヴァンスの暮らしぶりを垣間見る事が出来ます。

現在のプロヴァンス・プリントは美術館の外=町中の、至る所にあります。

ペイズリー柄のウェスタンシャツにブルージーンズ+白いコットンブラウスに鮮やかな花柄の三段ギャザースカートを着こなしたおじいさんとおばあさんのカップル、家族揃っての日曜のランチにプリントのネクタイを締めてきた少年、風にそよぎアパートメントの窓から覗くカーテン、賑わうオープン・カフェを彩るテーブルクロス…。

生活に取り入れてこそ生きる、魅力的な布達。。。

遅く起きた休日、カラフルなランチョンに小さなテーブル・ブーケ、ニース風のサラダと冷たいスープ…。たまには趣向を変えて楽しんでみませんか?のんびりしたブランチで始まる「プロヴァンス式」の一日を。。。

3)

今回ご一緒した「お日様の匂いがする生活」を届けてくれる一枚の布・「ソレイヤード」のふるさと=タラスコン…如何だったでしょうか。

それではまた、来月の旅をお楽しみに。

A la prochain fois !

カテゴリー

  • 最新情報
  • 番組情報
  • レポート
  • プレゼント
  • ネットラジオ
  • リクエスト
  • 番組表
  • 会社情報

月別アーカイブ

▲ページのトップへ戻る