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水曜ラベクル★『高級チョコ・ノイハウス誕生物語/ギャルリー・サン・チュベール通り』par北山裕子

2002.05.14

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !

第4回『ギャラリー・サン・チュベール通り/ブリュッセル/ベルギー』(02/02放送分)

1月の第1週が2日で、お正月プチ・スペシャル《各番組パーソナリティーの選ぶ『男と女の物語』》をやらせて頂いた為、2002年最初の小さな旅は2月。

観光都市ブリュッセルという事で、当初の趣旨(マイナー都市)とはちょっと逸れてしまいましたが、St.Valentine(バレンタイン・デー)に無理やり因んだ(笑)ものになりました。。。

…実は私、甘いもの全く駄目なんですけどね★

ブリュッセルには敬愛するアール・ヌーヴォー建築家=オルタの数多くの作品&自らがインテリアに至るまで手掛けた邸宅(昨年、世界遺産に指定されました/自宅を似せようとしても及ばず。。。)がある一方で、(漫画)タンタン美術館等ちょっと「外したミーハー心」◎な方にも楽しめるスポット満載です♪

PS:毎回、地名表記は出来るだけ原音に近いものを目指していますが、既に日本で一般的な呼び方が決まっているものは、それに順じています。

1)

月に一度、たった1つのモノや建物との出会いを求めて出掛ける『お気に入りを探す旅』。。。

素敵な音楽と共に、本日もご一緒しましょう。

今回は間近に迫ったバレンタインデーに因み、チョコレート大国ベルギーの首都・世界的な観光地ブリュッセルの、或る「歴史的な通り」を訪れます。

ベルギーの高級チョコレートブランドといえば「ゴディバ」「ブリュイエール」「レオニダス」「ノイハウス」…と枚挙にいとまがありませんが、ベルギー人はそんなご自慢のチョコレートを決して「チョコレート」とは呼ばず「プラリネ」と呼んでいます。中にナッツやクリームを詰めた高級チョコレート「プラリネ」の呼び名は、17世紀フランスで、時の国王ルイ18世の為にそれを作ったとされるプレシス・プララン公に因ります。

本日の行き先は、ベルギーで最初のプラリネ発祥の地「ノイハウス」本店が有る、ヨーロッパ最古のショッピング・アーケード「ギャルリー・サン・チュベール」です。

国際列車が止まるブリュッセル南駅から、路面電車トラムで10分弱のボース下車。

または在来線ブリュッセル中央駅からギャルリー・サン・チュベール迄、いずれも徒歩で7~8分です。

Le destination d’aujourd hui est Galerie St.Hubertus …………。

2)

ブリュッセル一の観光名所=ヴィクトル・ユーゴーが「世界で最も美しい広場」と記しジャン・コクトーが「豊穣なる劇場」と賞賛したグラン・プラスは、およそ110mX70mの「石畳の広場」です。その四方を囲む「ギルドハウス」と呼ばれる、聳え立つ塔や黄金/鉄/青銅を使った彫像や紋章等でデコレートされ尽くした目も眩まんばかりの巨大で華麗な建物が、訪れる人々を圧倒します。

その広場の北に連なるのが1847年に完成したヨーロッパ最古のショッピング・アーケード「ギャルリー・サン・チュベール」です。

各通りには「女王の回廊」「王の回廊」「王子の回廊」という優美な名前が与えられ、ブティックやカフェ、アンティークショップや劇場が並ぶアーケードは美しいアーチ状のガラス天井で覆われ、壁のそこかしこにローマ式の「石造りの彫像」やアールヌーボー/アールデコ発祥の地に相応しい「鉄の装飾」が施されています。

1857年、当時は薬として珍重されていたチョコレートも扱う「薬局」として、ノイハウスはスイス人の薬剤師ジャン・ノイハウスによってギャルリー・サン・チュベールの「女王の回廊」に誕生しました。

2代目フレデリックは「チョコレートの美味しさを極める研究」に没頭し、1895年、「チョコレート専門店」を創業します。

そして1912年、遂に3代目ジャンが、ナッツ類に飴を絡ませクリーム状にしたものをチョコレートに閉じ込めた「プラリネ」を、ベルギーで初めて考案。3年後、妻のルイス・アゴスティーニと共に、今日高級チョコレートの箱として一般的な、プラリネの繊細な形が損なわれないように、やや上が広がった四角い箱「バロティン」を発明します。更に王立歌劇場の有名歌手でもあった娘・スザンヌが、一つ一つのプラリネに個性的なデコレーションを施す事に心を尽くし、数十種類もの洗練されたプラリネを完成させました。

家族の絆と情熱・伝統と格式に支えられ、150年近く変わらぬ姿の「ノイハウス」本店…間口の広いウィンドウに飾られた季節感溢れるディスプレイに誘われ、店内に足を踏み入れるとそこは一面の甘い香り。かすかにピンク色をした大理石の柱、白い棚と鏡が貼り巡らされた壁に歴史を感じさせるシャンデリア…。アーチを描いた天窓から差し込む適度な光に包まれると、まるで時間が止まったような不思議な錯覚に捕われます。

ベルギー人の年間チョコレート消費量は1人当り約10Kg。1日に大粒のチョコレート2個は口にしている計算で、日曜日のブランチや夕食を珈琲とデザートで締め括った後、ポルト酒やアマレットといった食後酒と一緒に味わいます。

「Neuhaus」本店の常連客、仕事帰りに毎週立ち寄るという貫禄ある60代の紳士曰く「仕事を終えてから先ず本屋で好きな本を物色し、酒屋でいつものワインを買い、その後でここに来るのが何よりの楽しみだ」とか。

お気に入りの本にお酒、そしてチョコレート。…大人の男性の、こんな「夜の寛ぎ時間」。

今年は「あの方」に、差し上げてみては如何でしょうか。。。

3)

今回ご一緒した、甘い幸せの匂いに包まれた『ノイハウス』本店も佇む、ブリュッセルのギャルリー・サン・チュベール…如何だったでしょうか。

それではまた、来月の旅をお楽しみに。

A la prochain fois !

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