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『お金では買えなかった幸福@Izmir』★parL*C北山裕子

2006.05.27

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第49回『イズミールの街/トルコ』(1/31/2006 OA)

年明けの日本を賑わしたライブドア・ショック。一連の事件に関する裁判もいよいよ
本格化しております。

2006年、このコーナーで最初に取り上げたのは世界的な大富豪=世界の歌姫との恋、
ジャックリーヌ・ケネディとの再婚、(没後も)遺された一人娘(後に変死)と後妻の
数十年に渡る泥沼の遺産争いetc…20世紀の社交界に話題を振り撒き続けた
スキャンダラスな海運王=オナシスです。
(先日、オナシス一族唯一の生き残り=孫娘が怪しげな男性(失礼)と結婚…財産狙いで
ないことを祈る◎ばかり。。。)

1)
毎月最終火曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。

「金は道徳よりも強い」「金で上品さは買えなくても、それが無いことを大目に見る
寛容さなら買える」と豪語した、20世紀を代表する海運王のオナシス。
裸一貫からのし上がり、巨万の富で欲しいものは全て、「愛」すらも「金」で買った男の
哀しい末路。。

本日の目的地は、オナシスの生まれ故郷=イズミールです。

トルコの首都アンカラからイズミールまでは夜行列車で14時間、バスなら約8時間です。

Le destination d’aujourd hui est Izmir(イズミール)…………。

2)
紺碧のエーゲ海を望む港町。人口270万人、トルコ第3の都市イズミール。
ギリシャとの度重なる戦争で、吟遊詩人ホメロスも生んだ古代遺跡の殆どを失い、
今や巨大タンカーが行きかうエーゲ海最大の工業と貿易の中心地です。
海岸線に並ぶのはカフェにブティック、欧米資本の巨大ホテル…地中海にありがちな
いわゆる高級リゾートといった風情です。

オスマン帝国スミルナ=現在のトルコ・イズミールで1906年、煙草商人の家に
生まれたAristotle Socrates Onassis(アリストテレス・ソクラテス・オナシス)は、
戦火で全財産を失いギリシャに難民入国するとすぐさまアルゼンチンへと渡り、
株の裏取引と闇市相手の海運業で、20代で百万長者の仲間入りを果たします。

石油時代を予見するといち早く巨大タンカーを建造し、石油運搬権を持つ富豪の娘と
結婚。
ギリシャ国有航空の買収に続き、社交界の中心=モナコ王国も金で支配し、彼を
「成り上り」と揶揄した上流階級をねじ伏せます。

彼が次に手に入れたのは世界の歌姫マリア・カラス。
豪華なプレゼントよりも孤独な素顔を愛してくれた、只一人の女性。

…が、彼の失脚を目論み、過去の罪を暴き続けるFBIとCIA。
仕返しにオナシスは、アメリカが愛する悲劇のヒロイン=暗殺されたケネディ大統領の
若き未亡人ジャックリーヌ を、金の力で妻に迎えたのです。

3)
金の力でアメリカの宝=ジャックリーヌと再婚したオナシス。
…これが悲劇の幕開けでした。

傷付いたマリア・カラスは睡眠薬中毒に陥り、一人娘はアメリカ人と駆け落ち。
跡取り息子が25歳で飛行機事故で亡くなり、ショックを受けた前妻もアルコール中毒で
急死、遂にはオナシス自身を重い病が襲います。

病気の夫に見向きもせず浪費に明け暮れる、愛の無い妻ジャックリーヌ。
孤独と病魔に苦しんだ挙句1975年、パリの病院で波乱の人生を終えたオナシス。
その莫大な遺産が、新たな悲劇を招くとも知らずに。。。

4)
今回ご一緒したオナシスの故郷=イズミール、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A prochain fois !

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