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『虚飾の女スパイ=マタハリ@Leeuwarden』★parL*C北山裕子

2005.10.20

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第46回『レーワルデンの町/オランダ』(09/27/2005 OA)

今月13日、90年代まではその存在すら英政府が否定してきた英国対外情報部SIS
(通称MI6←007ジェームズ・ボンドが所属してるって設定の/笑)が、史上初の一般向け
リクルートをWeb上でスタート。
求人情報は勿論、MI6の歴史と役割、現役情報部員(モチ匿名)の紹介や実際の業務の説明…etc、
興味津々情報満載のホームページが、世界中で人気を集めている(24時間に約1310万回もの
アクセス!)とか。

そんな中、今回訪ねるのは20世紀の初め、世界を震撼させたミステリアスな女スパイ
=実は戦争気運を高めるスケープゴート(生贄)にされただけの、愛すべき?ミーハーな目立ちたがり
女に過ぎなかった…とも言われている(苦笑)マタ・ハリの故郷。
意外や?騙し絵でお馴染みの有名画家&絵本作家=エッシャーも同郷出身。
どうやら「世間をアッと言わせてやる!」…という人物を生む何かが、この小さな町に
隠されているのかもしれませんぞ。。。

1)
毎月最終火曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。

1917年10月15日、Paris郊外で銃殺された伝説の女スパイ=マタ・ハリ。
エキゾチックなジャワ舞踊の有名ダンサー、裏ではドイツとフランスの多重スパイとして暗躍
…が、近年では軍に利用されただけの一犠牲者だったともいわれています。

本日の目的地はマタ・ハリが生まれ育った町、オランダ北部の干拓地=レーワルデンです。

オランダ・アムステルダムからレーワルデンまでは、特急IC(インター・シティ)で約2時間半です。

Le destination d’aujourd hui est Leeuwarden(レーワルデン)…………。

2)
星型の運河に囲まれた、北海を望むオランダ北部の中世の干拓地…緩い地盤に斜めに建つ
高さ40mの塔を除き、赤煉瓦の低い建物が歪んだ迷路のように連なる町=レーワルデン。
1876年、王家の別荘や教会が点在する閑静な地区で生まれた、マタ・ハリことマルガレーテ・
ゲルトルード・ツェレ。
離婚を機に、独自の言語や習慣を頑なに守る古い町を捨て、国を出た彼女は、見よう見まねの
ジャワ舞踊がパリで当ると、ミラノ・スカラ座にも立つ人気ダンサーへと上り詰めます。

エキゾチックな顔立ち、宝石を散りばめたセクシーな衣装。
マハラジャとも親しいインド貴族の末裔という神秘的な“偽のプロフィール”に併せ、笑顔を封印し
インドネシア語で「暁の瞳」を意味するマタ・ハリを名乗るようになったマルガレーテ。

人気に翳りが出た彼女に目をつけたドイツ諜報部は、甘い言葉と高い報酬で、マルガレーテを
パリの外国人将校クラブへと送り込むものの、スパイ教育も受けていない素人に当然収穫は無く、
それどころか20歳も年下のロシア将校に一目惚れするや、貢ぐ金欲しさに自らあっさり
2重スパイを志願してFrance側に寝返る始末。

…が、早くから彼女を“ドイツの囮”だと見破っていたフランスは、でっち上げの仕事を依頼すると
直ちに3重スパイとして逮捕し、非公開の軍事裁判で、自白は勿論、証拠も無いまま、早々に
死刑判決を下します。

3)
憎むべき大物スパイ=マタ・ハリの逮捕・処刑の知らせにフランス中が興奮し、反ドイツムードが
一気に高まる中、死刑当日、銃殺部隊を前に「目隠し」を拒んだマルガレーテ。

処刑人に残した台詞は「どうもご苦労様」…と、たった一言。
自らの虚栄心と男達に翻弄され、遂に遺体の引き取り手すら現れなかった哀れな女の、
これが「最期の見栄」だったのかもしれません。

4)
今回ご一緒したマタ・ハリの故郷=レーワルデン、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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