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第34回『アンシェイ村／フランス』（09/29/2004放送分）

10月（実は今日＊10／5）からいよいよ店舗拡大？水曜日に加え、火曜日のラベクルも担当させて頂くことになりました。
3年にわたり、毎月最終水曜日にお送りしてきたこの旅のコーナーも、これを機に「毎月最終『火曜日』、17：35頃～」にお引越しです。。。
その他、【シネマの細道】なる新コーナーもご用意(←この辺ついては近々、実は4月から始まっていた、水曜18：30過ぎ～【Music Selection／Viva Country♪】コーナー等々と併せて、別途コラムにてご紹介＆ご挨拶致しますネ♪)。
火曜ラベクルへのお越しも、心よりお待ちしております◎

さて（毎度唐突ですが）、日本で売れている海外ブランドTop3といえば、2位ティファニー、3位(この中で私が唯一持ってる/お安くて御免★)GAPを大幅に引離し、長年1位を独走態勢のルイ・ヴィトン。今年創立150年を迎えたこのビッグ・ネームの始まりは、意外や意外、(《おまけ》でご紹介＊エルメス・シャネル・グッチ同様)『おしん』≦『猿岩石』もビックリの苦労∞+流れ流れて成り上がり～の歴史でございました！！！
…で、お引越し前最後の旅は、県の公式HP上(フランス版)でも検索出来なかった、初代ルイ・ヴィトンが産まれた「超」寒村に参りました。。。

1）
毎月最終水曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。
殊に日本で、圧倒的に売れているフランスの高級ブランド＝ルイ・ヴィトン。
日本縁のロゴマーク・モノグラム柄のバッグを始め、シャンパンに文房具と、数々のグループ企業も傘下に治める超巨大ブランドです。
その始まりは今から150年前、スイスとの国境に近い山の麓の貧しい村を飛び出した一人の家出少年…。

本日の目的地は、ヴィトン帝国の創始者ルイ・ヴィトンが生まれ、決別した村=アンシェイです。

フランス・パリ-リヨン駅からブザンソンまで超高速列車TGVで約2時間40分、車に乗換え更に2～3時間でアンシェイ村に到着です。

Le destination d’aujourd hui est　Anchay（アンシェイ）…………。

2）
スイス・レマン湖の北西、国境に聳えるジュラ山脈を越えたフランス側の麓…地図で探すのも難しい小さな村が、本日の目的地アンシェイです。今や自転車ロードレース＝ツール・ド・フランスやクロスカントリー競技の最難関としても知られるフランス第2の森林山岳地帯で1821年、貧しい粉引き小屋の三男に生まれたルイ・ヴィトン。

義理の母と折り合いが悪かった少年が、二度と戻らぬ決心で故郷を飛び出したのは、僅か14歳の時。徒歩で目指すは140kmも彼方、未だ見ぬ夢の都・パリ。
途中の村で仕事を探し、資金が貯まればまた歩く…2年後、ようやくパリに到着した時には、12もの職業を経験していました。

貴族達が旅行に使う「荷造り用木箱」の職人になったルイは、20年近い修行と試行錯誤を重ねた1854年、遂に世界初の旅行鞄専門店「ルイ・ヴィトン」をオープンします。
「鉄道の発達で、これからは旅がもっと一般的になる」乗り合いでも沢山の荷物が重ねられるよう、アーチ状が当たり前だった鞄の蓋を平らにし、丈夫で軽いキャンパス地を使った彼の「トランク」は、予想以上の大流行となります。

3）
注文が追い着かないヴィトン人気は、コピー商品との戦いの幕開けでもありました。
偽者を拒むように茶系の市松模様に製作者の名前を入れたダミエ柄、パリ万博で目にした日本の家紋にヒントを得て、星・花・イニシャルLVを幾何学的にプリントしたモノグラム、日本人アーティスト＝村上隆による漫画的キャラクターとのコラボレーション…次々に繰り出す新たな挑戦…。

少年の家出という形で踏み出された小さな一歩。どうやら思いの外、何代にも亘る長く刺激的な旅になったようです。。。

4）
今回ご一緒した、ルイ・ヴィトン生誕の地＝アンシェイ村、如何だったでしょうか？

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois　!

《おまけ》
14歳で家出～放浪＆旅行用木箱屋で下積みの末にブランドを設立したヴィトンの他、
13歳で家出～馬具屋で丁稚奉公していたエルメス、
11歳から家計の為に働きに出されて、ロンドンのデパートでエレベーターボーイをしていたグッチ、
親が判らず、孤児院育ちから這い上がったシャネル
…と、高級ブランドには案外この手の「ハングリー伝説」は、付き物のようで。。。
血と汗の結晶から始まったブランド品＝お持ちの方は有難～く＆丁重～に、ご愛用下さいませっ（余計なお世話）！