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水曜ラベクル★『最古の野外博物館Skansen』+映画6本par北山裕子

2004.05.25

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第29回『スカンセン(博物館)~ストックホルム/スウェーデン』(04/28/2004放送分)

連日の雨&相変わらず乱高下の気温。。。皆様体調は如何でしょう?
ゴールデン・ウィークより、~明けて公開の映画が多い今日この頃。不肖・北山with長風邪(歳ですたい/涙)、試写会三昧に大忙しです。
以下(いずれも公開中∴恐縮)、勝手な☆(☆オススメ/☆☆佳作・是非ご覧あれ/☆☆☆飽くまで私的#1)と共に、気になるところをピック・アップ♪

☆アンソニー・ミンゲラ監督(現実≦美の追求/涙∞文芸大作)=何処までも美しい主演2人VSリアル系*レニー・ゼルヴィガーがオスカーGetは何より◎→映画の「後には」原作も是非!『コールド・マウンテン』

☆☆ティム・バートン監督(独特のカルト的映像世界)=親子愛→人生って素晴らしいっ!ベストセラーの映画化*大人のファンタジー『ビッグ・フィッシュ』

☆☆☆フランソワ・オゾン監督(フランス気鋭・映像美vs女)=エロティック∞サスペンス@南仏→オッパイ大放出リュディビーヌ・サニエを凌ぐシャーロット・ランプリングの美に圧倒!『スイミング・プール』

☆ロブ・ライナー監督(ご存じラブ・コメの帝王)=ポスト(ラブ・コメ・クィーン)メグ・ライアンは、ケイト・ハドソンに決定!『あなたにも書ける恋愛小説』

…と、各監督の得意技炸裂!!!「いかにも」なおススメ秀作が並ぶ中、
★ジェームス・アイボリー監督(イギリスの文芸モノがお得意)の『ル・ディヴォース~パリに恋して』は「?」。旬な米仏の若手&名優陣@パリ…にも関わらず「恋・観光・グルメ満載『旅情サスペンス2時間スペシャルinおフランス』」の域を出ず…▼

☆☆…で反対に予想外の?好感触◎は『トロイ』。
ブラット・ピット&オーランド・ブルーム競演♪と大物スターを揃えた超話題の大作だけに「案外どうよ?」と斜に構えて鑑賞。…が色恋を最小限に抑えた「ド迫力映像&甦る古代ロマン&様々な男の誇り(プライド)を懸けた戦い」∞な2時間50分に、完全ノックアウト!
出色は、日本での知名度はもう一つ?エリック・バナの静かな熱演(「不器用な男ですから」っぷり=時代的に「武士道/騎士道」より古いから「戦士道・勇者道」?)◎、名優ピーター・オトゥールの「枯れて益々磨きがかかった(熟成?)、上手過ぎる名(怪)演技」◎◎
⇒⇒⇒日本男児諸氏、共に痺れませうぞっ!!

…と、カンヌ史上最年少/主演男優賞受賞☆☆☆=柳楽優弥君(14歳)in『誰も知らない』の試写会パスした事を後悔しつつ(大汗)、いざ本文を。。。

1)
毎月最終水曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。

遺跡や自然をありのまま保護し、一方で、動植物や古民家・野外アートとテーマに沿った収集品を屋外展示するオープンエア・ミュージアムこと野外博物館。
日本だけでも、江戸東京たてもの園に民家園、小石川植物園に彫刻の森、白川郷・明治村・琉球村にグラバー園…と、実に多種多彩。

自然の中でリラックスして、いつもより少しだけ伸びやかになる好奇心…こんな愉しみを生み出したのは、北欧の或る言語学者でした。

本日の目的地は1891年、スウェーデンにオープンした、世界初の野外博物館=スカンセンです。

スウェーデン・ストックホルム中央駅からスカンセン迄は、市営47番バスで僅か10分少々です。

Le destination d’aujourd hui est Skansen(スカンセン)…………。

2)
大小14の島からなる、北欧のヴェニス・水の都ストックホルム。町の中心・緑に包まれた美しい島ユールゴーデンは、現代社会の喧騒とは程遠い自然と生活が融合した別天地です。

スウェーデン語で「小さな砦」を意味する野外博物館・スカンセン。
緑豊かな35万㎡の敷地に点在する、各地から集められた約150棟の古びた建物…地方色豊かな民家・農家・教会、昔ながらの工場・商店街に、民族衣装に身を包み、当時の生活を生き生きと再現する職員達。

19世紀末、国中を隈なく旅した言語学者ハゼリウスは、急激に広がる近代化の波、また当時のアメリカへの大量移民により古き良きスウェーデンが失われる事を恐れ、私財を投げ打ち1873年、古着や家具を展示する博物館を開館、パリ万博でも高い評価を受けます。
…が、いくら建物や家具を保存しても、それが本来あるべき自然の風景に囲まれていなければ、何よりそこで暮らす人々の姿がなければ、生活を再現したとは言えない…そんな彼の想いが実を結んだのは1891年、小さな村の移築を手始めに、世界初の野外博物館=スカンセンが誕生します。

3)
青空に誘われピクニック気分で園内に入ると、先ず出迎えてくれるのが起伏に富んだスカンセンを俯瞰する巨大模型。続いては、ガラス・家具・印刷工房、鍛冶屋に酒場と、当時の衣装に身を包んだ人々が働く「町のエリア」。先に広がるのは野外劇場と広場に教会、一等地の高台に聳えるひときわ豪華な領主の館。

広場を離れ野生動物園を抜けると、特色ある地方の暮しを再現した広大な「村のエリア」に到着です。
アザラシと熊の毛皮でドーム状に作られた北の遊牧民・ラップ族の家、校倉式の壁・板屋根に草の生えた土を載せた「夏至祭り」で有名なダーナラ地方の農家。

スカンセンで最初に作られた村=モーラ村。四角い中庭を囲む窓際には貴重な明りを求めて並ぶテーブルと長椅子、厳しい寒さを凌ぐため釜戸のある部屋に造られた収納式ベッド…そんな中、お茶を沸かしパンを焼き、掃除・洗濯・内職と、寒がる暇も無く家事に追われるお母さんの姿。
懐かしい故郷の原風景は、案外普遍的なもののようです。。。

4)
今回ご一緒した、野外博物館の草分けスカンセン、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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