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水曜ラベクル★『中世にタイムスリップ@Guedelon』par北山裕子

2004.02.23

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第25回『ゲドゥロン村/フランス』(1/31/‘04放送分)

2004年最初のこのコーナー、村&町にまつわる物&人物の歴史…といった通常の旅物語から一寸離れて、正に「ガイドブックに出ていない&ツアーでは決して訪れる事のない」=今、話題&穴場の村をPick-Up!
いうなれば「アカデミックな、フランス版『Dash村』」(笑)?…夢とロマンの世界をお楽しみ下さい。。。

1)
毎月最終水曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの小さな村にお連れします。
宿泊できる憧れの城=シャトー・ホテル…中世の貴族、はたまたお姫様気分に浸るなら、ドイツ・ロマンティック街道、それともフランス・ロワール川の古城巡りでしょうか。
古の巡礼地・ワインで有名なフランス中部ブルゴーニュ地方も、数々のロマネスク様式の教会や世界遺産に恵まれた、密かな「古城」の宝庫です。
本日の目的地は、前代未聞の城のお陰で今、ブルゴーニュいち注目される村=ゲドゥロンです。

フランス、パリ・ベルシー駅からオーセールまで国鉄SNCFで2時間弱、ゲドゥロンへは更に車で30分です。

Le destination d’aujourd hui est Guedelon(ゲドゥロン)…………。

2)
シーザーの『ガリア戦記』に「難攻不落の都市・ガリア」と記され、フランス王国以上の権力を誇る一大公国としても、その名を轟かせたブルゴーニュ。

騎士やドラゴンが今にも出てきそうな複雑なダンジョンを持つ城砦に、「ロマネスクの至宝」と讃えられる荘厳華麗な教会。コート・ドール=黄金の丘と呼ばれるなだらかな丘陵に広がるのは、一流のワインを生み出す葡萄畑。

ワイン騎士団が任命されるボーヌ『栄光の3日間』に、フランス最古の競馬も再現されるソミュール・アン・オーソワの『指輪祭り』…。
かつての栄華も偲ばれる、今尚豊かなブルゴーニュ地方の東の外れ、森と沼地と石切り場しかなかった寒村ゲドゥロンが、俄かに注目を集めるようになったのは1997年。

13世紀当時の方法=人間の手だけを頼りに、中世の石の城砦『ゲドゥロン城』を建造するというとてつもない計画が、この地で動き出したのです。

3)
世間の失笑にも臆することなく「現代の御伽噺」の為に立ち上がったのは、石切り職人、大工、陶芸家、土木作業員に建築家…。総勢45名のプロフェッショナル集団でした。

森を抜けると目に飛び込んでくるのは、中世そのままの作業着に身を包み、手作りの斧やのこぎり・麻紐を使って、木を倒し、石を削っては積み上げる…6つの塔を持つ巨大な城の完成を黙々と目指す男達の姿。
雨の日は休み、冬は屋内で技術研究。ようやく1つ目の塔が姿を現したこの城の完成予定は、「まだ100年はかかる」と言われるガウディのサクラダ・ファミリア教会には及ばぬものの、何と2022年。

歴史研究の場として一般公開されている工事現場で、何より見学者が感動するのは、日々がせわしなく過ぎる現代と好対照な、不便な分だけ高まる創意工夫と連帯感に、ゆったりとした時の流れ。

「非現実と言われてこそ上等、人生は夢とロマンがあってこそ」…フランスの真のエスプリが体感できる、「穴場中の穴場」かもしれません。

4)
今回ご一緒した、現在進行形の城に沸く村=ゲドゥロン、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

【補足】
本文中に紹介したゲドゥロン近郊の村祭…女優・川島なお美&SMAP稲垣吾郎etc日本人騎士も多数輩出しているボーヌのワイン祭『栄光の3日間』は、ワイドショーでもすっかりお馴染み(苦笑)?

一方の『指輪祭り』は、期間中、街が中世一色に染まるヨーロッパでもかなり本格的なタイムスリップ感に溢れるもの。
看板の文字&店頭に並ぶ商品は全て中世のものに統一され、街中の人々も王侯貴族から乞食まで、当時のあらゆる階層の衣装に身を包む…といった懲りようです。

祭りの最終日にはフランス最古の競馬「指輪のレース」が再現・開催され、勝利者には「万能の金の指輪」が授与されます。とはいえこちらの「指輪物語」、最終章が公開中の映画『ロード・オブ・ザ・リング』とは異なり、その後の「指輪を巡る壮絶なる争い」とは無縁=極めて健全なものですよん☆

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