過去記事アーカイブ

水曜ラベクル★『復興都市のX’mas*ドレスデン』par北山裕子

2003.12.15

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第23回『ドレスデン/ドイツ』(11/26/‘03放送分)

…うわぁ、試写会コラムも溜めまくっている内に、気付けばX’masまで10日&年末まで半月を切りましたた~い★
こうしてまたひとつ、何も成さぬまま歳をとってしまうんですね。。。≠物理的には着実に(嫌って程/涙)、ちゃ~んと大人になってる筈なのに、未だ余裕もって宿題期限すら迎えられない、あぁ「駄目なX4、いつまで経っても駄目なワタシですぅ~(歌って誤魔化す年の暮れ/滅)」♪

さて本文=今回は街の【栄華→崩壊(→再生)】物語好き(悪趣味ですか?/汗)な私の琴線に触れた、ちょうどこの時期「ヨーロッパの冬の風物詩」に沸く、ある都市を取り上げます。

1)
毎月最終水曜日、この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの町へとお連れします。

11月にもなると日本はクリスマス商戦が花盛り。クリスマス発祥の地=オーストリアやドイツでは、アドヴェントと呼ばれるクリスマス4週間前に入ると、広場は熱いグリューワインや甘いお菓子の香り、もみの木やクリスマス用のデコレーションを売る「クリスマス・マーケット」で埋め尽くされます。
本日の行き先は、そんなクリスマス・マーケット発祥の地ドレスデンです。

ドイツ・ベルリンからドレスデン中央駅までは、特急インターシティで約2時間です。

Le destination d’aujourd hui est Dresden(ドレスデン)…………。

2)
ドイツ東部ザクセン州の州都ドレスデン。豊かなエルベ川の両岸に広がる壮麗な石造りの王宮や教会、劇場や美しい数々の塔…古くから「バロックの真珠」「エルベ河畔のフィレンツェ」と呼ばれる素晴らしい景観です。

中央広場のクリスマスマーケットで先ず目を引くのが、各段に飾られた木製の人形がくるくる回る巨大なタワー=世界最大のクリスマスピラミッドです。周囲に所狭しと並ぶ屋台、外れには移動遊園地、イルミネーションが輝く夜、賑わいは頂点に達します。
一方、王宮の中庭では、屋台に並ぶ食べ物や売り子の衣装・薄暗い照明に至るまで忠実に中世を再現したマーケットが開かれ、暫しのタイムスリップを楽しめます。

クリスマス前に一種の断食をし、クリスマスになると家族で鴨や鹿肉などのご馳走を囲む習慣があった1434年、最初に広場に並んだのが肉の屋台。次いで共にテーブルに並ぶシュトレンなどの甘いお菓子、1631年にマイセンの子供用陶磁器セット、18世紀には木製のツリー人形やクリスマスピラミッドといった地方特産の木工細工も売られるようになり、やがてこの習慣はドイツ中に広がっていきました。

2006年に800周年を迎える街の至る所で見かけるのが、マーケットの華やかさに不釣合いな黒く煤けた建物。その異様な姿は、デレスデンの哀しい歴史を物語ります。
第二次大戦末期の1945年、連合軍の総攻撃は、たった一晩で、気品溢れる白亜の10万人都市=ドレスデンの75%を破壊し、3万5千人もの命を奪い去りました。

3)
戦後人々は、歴史への戒めとして焼夷弾に焼かれながらも崩れ落ちなかった建物をそのまま残し、また瓦礫の中から石材を掘り出しては一つ一つに番号を付けて街の再建に再利用しました。
そうして時間を掛けて少しづつ、愛する町の為、何より敗戦で失いかけた誇りの為に、かつてのドレスデンの姿を見事に再現して見せたのです。

彼等が最後に取り掛かったのが、2004年の完成を目指し、現在、最上部のドームの工事が進む260年前に立てられた街のシンボル=聖母教会の再建。その壁の3割に、歴史と平和への祈りを刻み込んだ、あの「黒い石材」が使われているのです。。。

4)
今回ご一緒したクリスマスマーケット発祥の地ドレスデン、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

補足:
*クリスマス4週間前~12月22(23)日=クリスマスイヴ前日まで(∴当日は各家庭&教会で過ごすので、街頭は実にひっそりとしたものになります/ニューヨークやパリ等と違って、観光客は非常~に寂しいっす★)、各町・小さな村に至るまで、その土地ごとに趣向を凝らしたクリスマスマーケット(クリスマス関連商品の市場)が立ちます。
中でも今回ご紹介した「最古のクリスマスマーケット」inドレスデン、ベンツ&ポルシェ&フォルクスワーゲン等ドイツを代表する巨大自動車メーカー本社が犇めく「最大規模のクリスマスマーケット」inシュツットガルト、厳しい出店制限でドイツ中世のクリスマスをそのまま堪能できる「伝統の(最も有名&観光化された)クリスマスマーケット」inニュルンベルグが「3大クリスマスマーケット」と呼ばれています。

*ドイツといえばビール&白ワイン…ですが、クリスマスマーケットで販売されるグリューワイン(ホットワイン)に使われるのは何故か赤ワイン。
オレンジピール、シナモン、クローブ等のスパイスを入れたこのワインを飲むと、体が温まるだけでなく風邪もひきにくくなると信じられているそう。。。

カテゴリー

  • 最新情報
  • 番組情報
  • レポート
  • プレゼント
  • ネットラジオ
  • リクエスト
  • 番組表
  • 会社情報

月別アーカイブ

▲ページのトップへ戻る