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水曜ラベクル★『パスタ発祥の地サレルノ』+シネマ3本立てpar北山裕子

2003.05.19

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第17回『サレルノの町/イタリア』(05/07/‘03放送分)

気が付けばもう梅雨。
FMに多数生息(笑)?=ご多分に漏れず靴マニアの私としては『夜目・遠目・傘の中』と喜んでばかりも居られません。。。
Bu~t*隣席との期せずしてWETなお付き合い(湿気ムンムン)★にも負けず、行ってきましたGoGo試写会。
前回は『シカゴ』『めぐりあう時間たち』『トゥー・ウィークス・ノーティス』…話題作目白押しでしたが、夏休み前とあって、話題は専ら『マトリックス・リローデッド(併せて『アニマトリックス』も見るべし)』一色???≠【カンヌ映画祭シーズン】の今回、気になった作品は以下の3本。

①『ロスト・イン・ラマンチャ』(公開中)⇒構想10年・鬼才テリー・ギリアム監督の最新作になる「筈だった」=何と「完成出来なかった映画」のドキュメンタリー!ジョニー・ディップ演じる17世紀にタイムスリップした売れっ子プロデューサーが、そこで出会ったドン・キホーテ&(実生活の妻)バネッサ・パラディ演じる姫君と繰り広げる奇想天外なストーリー…になる予定が、悪夢のような度重なるアクシデントに、遂に撮影は中止される。
この顛末を、素顔のキャスト&スタッフの証言も交えながらまとめたこの作品。転んでもただでは起きない監督の面目躍如の異色作!!!

②『愛してる、愛してない』(公開中)⇒『アメリ』の主演で一躍「夢見る乙女」の代名詞になったオドレィ・トトゥの最新作。妻帯者の医師との運命的な恋に掛ける、天使のような女の子。その実は…という「結末は言わないで下さい」作品。CUTEなだけじゃない、新しいトトゥの顔を見られます☆

③『ムーンライト・マイル』(6月下旬公開)⇒ダスティン・ホフマンVSスーザン・サランドンVSホリー・ハンター= 三大オスカー俳優競演&70年代の隠れた名曲で綴る、話題の感動作。結婚式を控えた一人娘ダイアナを射殺された夫婦…突然の悲劇に見舞われた彼らは、娘の婚約者だった青年ジョーと共に暮らす事で、必死に哀しみを紛らわそうとする。そんなジョーには二人に言えない秘密があった。ダイアナとは事件の三日前に別れていた事、そしてこの最悪のタイミングで新しい愛に出会ってしまった事。突然の悲劇から再生していく人間の姿を、時にユーモラスにまた時に力強く描いた傑作。「役者の力量」&「家族愛」に圧倒されまくり。是非、大人の親子で☆☆☆

…次回は珍しく?日本映画にもTRYして参りますよん♪

さて本筋=入梅前の短くも爽やかな春~初夏に思いを馳せつつお楽しみ下さい、実は意外と近年?になってポピュラー・メニューの仲間入りを果たした、「パスタ≒スパゲッティ」を巡る旅です。。。

1)
月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』…本日もご一緒しましょう。

日差しが眩くなるにつれ、色鮮やかさを増して私達の食欲を大いにそそる初夏の野菜。太陽の恵みをしっかり生かしたスローフードのひとつ=最近注目の地中海式ダイエットで頂いてみては如何でしょう?…と言っても、決して特別なメニューではありません。

地中海式ダイエット=またの名をサレルノ式健康療法。それはただ、新鮮な海の幸・野菜に果物・乳製品を上質なオリーブオイル&パスタで、急激な血糖値の上昇を抑えながら、バランス良く頂く事。

本日の行き先は、給食のソフト麺も今は昔、すっかり日本の食卓に根付いたスパゲティをはじめとするパスタの乾麺発祥の地=ブーツ状のイタリア半島、その丁度前足首にあたる町・サレルノです。

イタリア・ローマから特急インター・シティでナポリまで2時間。ローマにも直通の在来線サレルノ・レッジョカラブリ線に乗換えれば、あと1時間でサレルノに到着です。

Le destination d’aujourd hui est Salerno…………。

2)
眩い地中海、ごつごつした岩肌と手付かずの自然、時折現れる中世の町並みが美しいチレント海岸に沿って、列車は南へ…。小高い丘の上にそびえる城砦から、瑠璃色の湾に向かってすり鉢状に広がる町が見えてきたら、それが本日の目的地サレルノです。
近郊の世界遺産…古代ローマ遺跡の宝庫・パエストゥムやポンペイ、断崖の絶景・アマルフィ海岸とは異なり、行政や産業・貿易の要所として、近代的な発展を遂げた巨大な地方都市サレルノ。
とはいえ40ヘクタールにも及ぶ、ほのかにピンクがかった花崗岩で作られたロマネスク様式の旧市街に、かつての面影が偲ばれます。

パスタの起源には諸説ありますが、紀元前、古代ローマ人が食べていた生パスタ=平打ち麺のタリアッテレが最初だという説が有力。後に砂漠を旅するアラビア商人が保存食用に筒状にして乾燥させたものがマカロニ。12世紀シチリアに上陸するや、土地柄に応じたバリエーションを加えながら、瞬く間にイタリア中に広まります。
こうした中、温暖な気候、肥沃な土壌、豊かな湧き水、ヴェスビオ火山から吹き降ろす乾いた熱風と地中海からの湿った海風…上質のデュラム小麦の生産、またパスタの自然乾燥にも適したサレルノ一帯には多くの製麺所が集まり、14世紀には「パスタの首都」と呼ばれるようになります。

16世紀イギリスで産業革命が起こると、イタリアのパスタ製造も生地作りから乾燥に至るまで機械化され、更に17世紀、コロンブスが新大陸から持ち帰ったトマトが酸味の少ない細身のトマト=ポモドーロに改良されると、乾燥パスタ・オリーブオイル・レモン・モッツァレラチーズに並ぶサレルノの特産品になり、勿論パスタソースの定番にも加えられました。この日本で「ナポリタン」と呼ばれるトマトパスタの経済性と手軽さは爆発的な人気を呼び、屋台で手掴みでパスタを食べる庶民の姿が、当時の版画等にも多数残されています。

サレルノを代表する老舗ブランド/サッカー・イタリア代表公式パスタのアントニオ・アマート、バラエティに富んだ品揃えでイタリア国内シェア#1を誇るバリラ、絶妙な小麦配合で日本でも人気・シェア#2のディ・チェコ、全て手作り・希少性と高価格で「幻のパスタ」と呼ばれるヴォイエロ…。
多くのブランドの中、パスタの海外進出に貢献したのは、安さと品質の両立を目指したブイトーニ、そして何より1955年のディズニー・アニメ『わんわん物語』。ひとつの皿のパスタをレディとトランプ=2匹の恋人達が食べるシーンは、映画史上に残るロマンティックなもの。この作品の大ヒットを切っ掛けに、パスタは世界中で愛されるようになりました。

厳選された材料で丁寧に作られたお気に入りのパスタ。美味しく頂けるかは、茹で時間とパートナーの選び方次第。お皿の中と、お皿の向こう側と。。。

3)
今回ご一緒した、週末のブランチがますます楽しみになる、乾燥パスタ発祥の地=サレルノ…如何だったでしょうか。

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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