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水曜ラベクル★『タルトタタン誕生物語/ラモット・ブーヴロン村』par北山裕子

2002.10.08

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第11回『ラモット・ボーヴロン村/フランス』(’02.10放送分)

9月の第一週目は遅い夏のヴァカ~ンスを頂いてしまい、失礼致しました。
代って番組&コーナーを担当して下さった藤田京子さんによる『パリ・フィレンツェ・バルセロナ*ヨーロッパ三都物語』、後日録音を聴いて、中世の美と絢爛、優雅な旅先案内に大いに旅情を掻き立てられました。

さて1回の休養を経て?通常モードの『旅』コーナー(本当に正式名称があやふやなコーナーである(苦笑))。
今回は、この夏期間限定でセーヌ川を無理やり『ビーチ』に見立てたり、10/6には主だった観光名所&バスのオールナイト無料開放『パリの白夜』?…と次々にユニーク町興し??企画を打ち上げるドラノエ市長(『白夜』の折に暴漢に襲われましたが、軽傷でホッ)によって、ますます目が離せないフランス・パリの程近く⇒⇒⇒食欲の秋に相応しい、甘~いエピソードをご堪能下さい。

1)
月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』。。。
素敵な音楽と共に、本日もご一緒しましょう。

食卓に季節感が無くなって久しいこの頃。デザートにしても一年中色々なものが店頭に並びます。ところがフランスには未だに10月にならないとお目に掛かれない、正に秋の訪れを知らせるお菓子があります。栗のケーキ=モン・ブランと、もうひとつ忘れてはならないのがリンゴをふんだんに使ったフランス風アップルパイ=タルト・タタン。
じっくりキャラメル色に煮込んだリンゴにタルト生地を載せてオーブンへ。焼き上がったらグツグツいうリンゴが上になるようお皿にひっくり返して戴く…これから寒い季節にぴったりのこのフランスの国民的お菓子は、ある姉妹の失敗が生み出したものでした。

本日の行き先は、甘酸っぱいリンゴと程よく焦げたほろ苦い砂糖の香り…タルト・タタンが誕生した村=ラモット・ボーヴロンです。

フランス、パリ・リヨン駅から南行きの郊外電車に乗ると約2時間でラモット・ボーヴロンに到着です。

Le destination d’aujourd hui est Lamotte Beuvron…………。

2)
パリから南行きの郊外電車に乗り、川面煌めくロワール川に沿って、おとぎ話から抜け出たように美しい中世の古城が点在する「フランスの庭」=ロワール地方の入り口ジアンを過ぎたら、もうじきにラモット・ボーヴロンです。
豊かな自然に恵まれたフランス一広大なオルレアンの森にも程近く、古くからきのこやジビエ(野禽)料理を目当てに訪れるグルメ客で賑わうこの村で、ひときわ人気なのが、今尚ホテルとして駅前で営業を続けているオテル・タタン。

「ア・ターブル」という料理に関する逸話をまとめた本によると、タルト・タタンは19世紀後半、狩りを楽しむ猟師や美食家で賑う、このレストラン付きの小さなホテルで誕生しました。
若くて美しいタタン家の姉妹=キャロリーヌとステファニーが作り出す極上の家庭料理は大評判。特に妹のステファニーが作るアップルパイは有名で、それを目当てにやってくるお客も数知れず。
珍しくお客の少ない夕暮れ時、かねてから淡い恋心を抱いていた常連客の青年とのお喋りに夢中になっていると「急いでいるから早目に出してくれ!」というお客が現れます。
先ずデザートの下準備を…とタルト型にバターと砂糖を引き、リンゴを入れてオーブンに放り込むステファニー。

ところが、その後急に混み出したレストラン。折角いいムードになれたのに、この忙しさでなかなか近付けない青年を気にしつつサーヴィスに専念していると、ふいにどこからともなく漂ってくる香ばしいキャラメルの香り…。すっかりリンゴの事を忘れていた二人が慌ててオーブンを空けると、そこにあったのはコンポートにしては焼け過ぎ、かといってパイ生地も敷いていない不思議なもの。どうしようかと困惑する二人に追い討ちを掛ける、急ぎのお客の「デザートはまだか!」の声。悩んでいる暇はない!とばかりに、ステファニーは手近に有ったタルト生地をかぶせ再びオーブンの中へ。すぐさま焼き上がったものの、これをどうテーブルに出すか?

ここでタタン姉妹は閃きました。タルト型に大皿を載せクルリと引っくり返すと、出てきたのはキャラメル色にこんがり焼けた今にもとろけそうな熱々のリンゴタルト。甘みを抑えたバニラアイスを添えて出すと、この見た事もないデザートは他のお客たちにも大評判!すぐさま「タルト・タタン(タタン姉妹のタルト)」と命名されました。
現在も、当時のオーブンが飾られたホテルのサロンで「元祖・タルト・タタン」を味わうことが出来ますが、実はこのタルトの誕生には別の説があります…。

かなりご年配の姉妹=タタンお婆ちゃん達が、ある日リンゴタルトをうっかり焦がしてしまい、慌ててオーブンから出そうとしたところ、またまた大失敗!何とお皿ごと引っくり返してしまいました。
がっかりした二人ですが、さりとて折角作ったパイを捨てるのは勿体無いと恐る恐る口にしたところ、まぁ何と美味しい事!その後は最初からリンゴを下にして焼くようになり、噂はたちまちフランス中に広まりました…とか。

さて真実はいかに?そしてあなたのお好みは、どちらの説でしょうか??

3)
今回ご一緒した、思わず艶々した小ぶりのリンゴを買いに走りたくなるタルト・タタン発祥の地=ラモット・ボーヴロン…如何だったでしょうか。

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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