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水曜ラベクル★『長靴下のピッピ?やかまし村?/ヴィンメルビー村』par北山裕子

2002.08.22

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第10回『ヴィンメルビー村/スウェーデン』(‘02/08放送分)

(消されてもX2、踏まれてもX2???・・・消えたコラム、早速Upしました☆)

気分はもう亜熱帯!…な毎日★
今回は、この暑さすらも有難く思えるかも?=短い夏を大切に大切に満喫する、北欧・スウェーデンのアミューズメント・パークをご紹介しました。
世界中でもっともその作品を愛読している国でありながら、不思議と訪れる日本人が殆どいない(観光ツアーなし&ガイドブックにも詳細情報一切なし!)世界的な童話作家・リンドグレーンのふるさと&テーマパークのある町…ヴィンメルビー。

幸運にも(そこまで行かずとも)スウェーデン旅行の機会に恵まれたなら、首都ストックホルムの有名な観光スポット『北方博物館』のすぐそばに、リンドグレーンの世界を3D疑似体験できるアトラクション『ユニバッケン』なるものがあります。
ここも殆ど日本人が訪れないせいか、各国語の通訳ガイドが揃う中、見事日本語が除外されておりますが、折角なら「うっすら理解?」の英語ヴァージョンより、「解説不要!」になるよう旅行前に彼女の作品を読み込んでおいて、是非とも「リンドグレーン本人が吹き込んだスウェーデン語ヴァージョン」を楽しみたいものです!

これまた『ユニバッケン』のすぐそばの『ヴァーサ博物館』も見物です!数百年もの間、海底に沈んでいた帆船ヴァーサ号=それは正に『ナルニア国ものがたり』の「朝びらき丸」なのですから!!
白夜だけじゃない、数多くのファンタジー&童話の生まれ故郷スウェーデンの新たな見所(見方/歩き方)を再発見しました。

1)
月に1度、ガイドブックにも殆ど出ていないヨーロッパの小さな村や町に、たった1つの出会いを求めて出掛ける、『お気に入りを探す旅』。。。
素敵な音楽と共に、本日もご一緒しましょう。

今回訪れるのは、世界中の子供達に愛され続ける『長くつ下のピッピ』『名探偵カッレくん』、『やかまし村の子供たち』や『ロッタちゃん』シリーズの作者=今年1月28日に亡くなった、スウェーデンが世界に誇る児童文学作家アストリッド・リンドグレーンのふるさとです。
スウェーデン南部スモーランド地方に位置するこの町は、リンドグレーンの生家や、作品の世界を再現したテーマパーク『アストリッド・リンドグレーン・ヴェールド』があるだけではなく、『ピッピ』が一人で暮らす「ごたごた荘」はじめ、多くの登場人物が活躍した数々の通りや建物も、しっかりと実在しています。

本日の行き先は、北欧の深い森と、澄んだ空気に短い夏の間だけ射す眩い陽の光、赤青黄色と絵本のように色鮮やかな家々が点在する田舎町、『やかまし村』の「大村」のモデルでもあるヴィンメルビーです。

スウェーデンの首都・ストックホルムからヴィンメルビーまでは、カルマ行きの特急インター・シティで約4時間です。

Le destination d’aujourd hui est Vimmerby…………。

2)
列車がストックホルムを出ると、間もなく窓の外は一面の針葉樹の森。南に走ること300Km、     4時間弱で到着したヴィンメルビーの駅には、待合室と事務所がポツンとあるだけ。小さなバスターミナルにもバスやタクシー、看板や店の類も一切無し。。。
町の中央を意味するセントラムと書かれた小さな標識を頼りに、カラフルな色彩の古い家が点在する坂道を10分程登ると、ようやく広場に出ます。更に20分、幹線道路を道なりに進むと、やがて町外れの森の中に見えてくるのが、映画『ロッタちゃん』シリーズも全てこの中で撮影された『アストリッド・リンドグレーン・ヴェールド』です。

北欧の短い夏=5月~8月の間だけオープンするこのテーマパークには、絶叫マシンや乗物など派手なアトラクションは何もありません。広大な土地に『ピッピ』や『ロッタちゃん』、お隣の「ベルイおばさんの家」、また『やかまし村』といったリンドグレーン作品に登場する村や町が細部に至るまで忠実に、実物大で再現されています。
「何より自然体で、自由の素晴らしさを満喫できる場所にして欲しい」というリンドグレーンの希望通り、唯一の出し物は、時折あちらこちらで繰り広げられる、おまわりさんと追いかけっこをするピッピや、仔豚のバムセのぬいぐるみを抱いたロッタちゃんをはじめとしたキャラクター達の寸劇程度。
遊び方や楽しみ方を決めるのも私たち…といった長閑で平和な園内を気ままに散策していると、いつしかただの観客の筈が、彼らの村を訪れた知り合いの気分になるから不思議です。

アストリッド・リンドグレーンは1907年、4人兄弟の2番目としてヴィンメルビーの農家に生まれました。春に一斉に咲く花の香りや夏の沈まない太陽の開放感、秋の干草の感触や冬のクリスマスを迎える興奮…本人曰く「遊び死にしそうなくらい遊んだ」子供時代の思い出。
その後、18歳で未婚のまま妊娠し、当時のスウェーデンではまだ珍しく非常に困難が伴ったシングルマザーになるべく、たった一人で国境を越えデンマークで出産。
周囲の偏見との戦いでもあった、37歳で華々しい作家デビューを飾るまでの厳しい自活経験が、マイペースでいて独立心旺盛なキャラクター達の源になったのかもしれません。

幹線道路を元来た広場まで戻り、そのまま住宅街を10分程進むと見えてくるのがネスと書かれた小さい看板とスウェーデン国旗。その脇の小道の先にある茶色い木造の建物がリンドグレーンの生家です。玄関前の木で揺れているのは、確かに『ピッピ』の乗ったブランコ。
現在も親族が住んでいる為、残念ながらその内部は公開されていませんが、隣に建つ『ピッピ』の家のモデル=古びた「ごたごた荘」から、「この先はプライヴァシー。立ち入り禁止よ!」というピッピの威張りんぼうな声が今にも聞こえてきそうです。

さてこの後、直ちに踵を返してストックホルムに戻るのも、広場に面したホテルに滞在してもう暫くこの「何も無いを満喫する町」を楽しむのも、バスでたった8分のペーラルネの村から、のんびりお散歩気分で『やかまし村』の舞台=ブッレルヒーまで足を伸ばすのも、勿論、更なる冒険に繰り出すのも自由です。
全ては、忘れかけていた子供の頃の、あの好奇心の赴くままに。。。

3)
今回ご一緒した、可愛いだけじゃない、骨のある少年少女が大活躍!…子供達と、かつては子供だった大人達に夢を与える数々の傑作の生みの親、アストリッド・リンドグレーンの故郷=ヴィンメルビー。。。如何だったでしょうか。

それではまた、次回の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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