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『昼ドラも真っ青・凄絶復讐劇@Coimbra』★parL*C北山裕子

2005.12.23

Visitons au coin de la rue , pour trouver notre specialite !
第47回『コインブラの街/ポルトガル』(10/25/2005 OA)

年間約3万5千人の日本人観光客が訪れるというポルトガル。
出島時代からの古~い付合いながら、近代以降のメジャー度?では、近隣の
スペイン・イタリア・フランスに押され気味★
一方、温暖な気候&素朴な国民性&色彩豊かな独自文化により、旅慣れた旅行者&
穴場を目指すハネムーナーの間では人気上昇中だとか。

新婚さんに人気のシャトー(古城)ホテル、とりわけポルトガル屈指の優美で
ロマンティックな佇まいを誇る、通称『涙の館』。
ここではかつて、ポルトガルでは知らぬ人のいない大悲恋物語≦「ラテン系って、
つくづく激しいのねぇ~」な、血みどろの愛憎ドラマが繰り広げられた舞台なのですが、
そんなエピソードが却って人気の的とは、いやはや。。。

1)
毎月最終火曜日この時間は、人知れぬ物語を秘めたヨーロッパの旅にお連れします。

リスボンから北に200km。
ポルトガル王国の最初の首都で、ヨーロッパで最も古い大学のひとつがある学園都市
=コインブラ。
華麗なバロック様式の時計台、礼拝堂に図書館、黒いマントに身を包んだ学生達…。
伝統と格式、同時に若さと活気に溢れるこの町で14世紀、壮絶な「愛と復讐の物語」が
繰り広げられました。

本日の目的地は、ペドロ王子とイネスの悲恋の舞台=コインブラです。

ポルトガルの首都リスボンからコインブラまで、特急アルファ号で約2時間です。

Le destination d’aujourd hui est Coimbra(コインブラ)…………。

2)
石造りの城壁に左右対称のアーチ階段、要塞を兼ねた教会に修道院…ポルトガル中部
ベイラス地方で、中世から続く学園都市=コインブラ。
市街地を一望する高台の大学から坂を下り、モンデゴ川を渡って東へ進むと、やがて
美しい鉄の柵越しに見えてくる黄色い壁の瀟洒な屋敷。
ここが物語の舞台=Quanta Das Lagrimas(クワンタ・ダス・ラグリマス)「涙の館」です。

時は14世紀、カステーリャ王国・現在のスペインの侵略から政略結婚で国を守ろうと、
ポルトガル国王は息子ペドロの妻にカステーリャの姫を迎えます。
ところが王子が恋に堕ちたのは、姫に仕える美しい侍女のイネス。
一度は仲を裂かれた二人…が、難産の末に姫が亡くなると、王子は周囲の反対を押し切り
コインブラの館でイネスと暮らし始めます。

3人の子供にも恵まれた幸せな日々…が、カステーリャとの軋轢を恐れた国王は
息子の留守に刺客を放ち、館の裏の小さな泉で、イネスと幼い子供達は
ノドを掻き切られ命を落とします。

国王亡き後、コトの顛末を知ったペドロが即位後先ず行ったのは、
暗殺者全員の処刑でした。
更に教会に正式な后だと承認させたイネスの亡骸を掘り起こすと、全ての重臣に
ミイラと化した彼女への、忠誠を誓う口づけを命じたのです。

3)
現在はホテルとして使われているコインブラの「涙の館」。惨劇の場となった裏庭の「涙の泉」に、今も沈むといわれるイネスの血に染まった真っ赤な石。

イネスの死から10年、新たな妻を迎える事無く国王ペドロもこの世を去ります。
その大理石の棺は天国での再会を願い、イネスのものと向かい合せに安置されました。
獣の姿で永遠にもがき苦しむ、暗殺者達の像を下敷きにして。。。

4)
今回ご一緒した激しい悲しい恋の舞台=コインブラ、如何だったでしょうか?

それではまた、来月の旅をお楽しみに。
A la prochain fois !

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